かちゃねこの日記

猫たちと過ごす平凡な日常の1コマ

久しぶりのブログ更新です。

 先のブログ更新から90日以上が経過しました。

アレックス・カー氏の著書『犬と鬼』を読み終わって随分と

時間が経ちました・・・。

日本の景観のみならず、

日本の教育制度に疑問を投げかける本に若干焦りを感じつつ、

 

今できることをやる。

 

 

これ以外にないのであります。

 

~暗転~

 

 

昨日は福岡市内で開催されたワークショップに

参加してきました。

 

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平田オリザさんの「演劇手法によるコミュニケーションワークショップ」

 

かなり以前に申し込みをしていたものの・・・

暑さと、帰省シーズンの混雑を想像して、

当日朝まで参加するか否かを迷っていましたが。

心身に鞭打って参加して来て良かった。

 

 

 

初めて出会う平田オリザさん。

 

 

以降先生と呼ばせて頂きます。

 

 

カナダのバンクーバーから日本に戻ってきたばかり、

という平田先生。キャリーケースとリュックを携えて会場にやってきました。

 

 

午前・午後、講演の三部構成のワークショップには、

50人弱の参加者(小学生~大学生・一般の方)がありました。

 

 

以下、簡単な内容メモ

<10:30~12:00>

・自分と同じ答えの仲間を見つけてグループごとに集まるゲーム

声を出しながら仲間を探します。好きな色、フルーツ、福岡といえば・・・、九州といえば・・・、生まれ月など。見つかると単純に嬉しい。

福島県でのワークショップのお話(小泉進次郎さんと滝川クリステルさんのお話も)

・ペアになって背中合わせで床に座り、足を伸ばす→相手を信じて一緒に立ち上がる→

一緒に体を縦・横に揺らす。1人より2人の方が倒れない。他者に対する信頼関係、1人よりも複数の方が物事がうまくいく感覚を感じる。

・2人で1人を支える。真ん中の人は、前後にいる人を信じて体を倒す。徐々に距離を離していく。無理はしない。

・1~50までのカードを無造作に配り、数字の大きい人ほど激しい趣味を持っているという設定で、自分と同じくらいの激しさの趣味(この時点では数字は自分しか知りません)の人をインタビューしながら探し、ペアを作って座る。数字の誤差が少なければ👍というゲーム。ちなみに私の数字は21で料理が趣味(振る舞うことが好き)を設定。ペアになった人の数字は7でストレッチだった・・・。平田先生に結構激しい料理ですね・・・と言われました。イメージのズレや「~のつもり」の感覚を感じるゲーム。

・この時作ったペアの人と一緒に、どちらかがアイマスクをして歩き、どちらかが肩を叩くことで誘導するゲーム。他のペアとぶつからないようにおそるおそる動きます。途中、誘導者同士はアイコンタクトでペアを代わり、マスクを外したら、誘導者は違う人になっていること数回。

アイマスクをして会場の端っこから平田先生が立っているところまで走る→小学生2人が抜擢される。しっかりキャッチしてもらえるかどうか?不安な気持ちの中、しっかりと平田先生にキャッチしてもらえた小学生は嬉しそうでした。

 

途中、平田先生の経験談や日本と諸外国の違いなど様々なお話が。

私が驚いたのは、日本以外の先進国(平田先生は日本は先進国ではないともおっしゃっていましたが)には高等教育の芸術科に演劇があるということ。日本の芸術科には美術、音楽、書道、工芸(大分にはない)しかない。それどころか、学校のカリキュラムに小学校の時から演劇があると・・・。

 

日本の中学生1年生に演劇ワークショップで出会うと、もじもじしたり抵抗のある生徒が多いけれど、他の国では様子が違うらしい。

さすがに、

グローバル化」について考えさせられました。

今の私にはまだまだ苦手な言葉ですが、これはもう避けては通れない。

異文化を基盤とする人とコミュニケーションをする際に、演劇体験はとても有効

なのだと想像します。

 

さらに、美術や音楽では個性を競うようなところがあるけれど、

平田先生曰はく、「私は声の小さい子に無理やりに大きな声を出させる必要はないと考えています。例えば声の小さい子に声の小さい人の役を与えれば、その子は他の誰よりも声の小さい人の役が上手なんです。演劇の良いところは、その子に合った居場所が見つかるところです。」

 

確かに、演劇が芸術科にないのは問題だ。

しかし、現況の教育制度の中から演劇の指導者はどこから生まれてくるのか?

 

平田先生が携わっている数年後に新設予定の演劇を専門とした公立大学に期待です。

日本で初めてできる演劇を専門とした大学。

まず、こどもたちの未来の選択肢が広がる。

これは素敵なことだと考えます。

 

 

<13:30~15:00>

・7~8人のグループを作って15分間の演劇発表をするワークショップ

・プロットは指定されているが、セリフや細かいストーリーはグループごとに設定

・私のグループは喫茶店で高校卒業後に再会する女子高の同級生の面々が、過去の恋愛沙汰を蒸し返して大混乱する話・・・

・5グループが発表後、平田先生の講評

 

その場に居合わせた方々と演劇をする。

初めての経験でしたが、午前中の体を動かすゲーム感覚のワークショップが

効いていたのか。あまり抵抗感なくこなすことができました。

演劇は中学時代の文化祭以来!そういえば3年間ともステージに立ったなぁ。

ピノキオ」・・・ピノキオ役

「カッパと百姓」・・・百姓役

「幕があがるまで」・・・女子生徒役

久しぶりに思い出しました。

 

 

15:20~17:00

平田先生の講演

 

・電車や飛行機で隣に座った人に、どんな時なら話しかけますか?

・グローバルコミュニケーションについて

・好奇心と謙虚さ

・きれない、諦めない

・コンテクストのずれ

・相手はどんな「つもり」でその言葉を使っているのか

・書かれた意味、伝えたい内容

・文化→文明(国境、民族を超える)

・社会的弱者のコンテクストをくみ取れない、弱者の痛みが分からない例えば官僚になっていく教え子になってもらっては・・・

・シンパシー(同情)同一性→エンパシー(共感)共同性へ

・非認知スキル

・学びあい→教えあい

・学力→学ぶ力

・対話(知っている人同士でも説明しあう文化)

・会話(親しい人とのお喋り)

・世界基準のグローバルコミュニケーションスキルはない

(それぞれの文化に合ったコミュニケーションスキルを)

・日本には対等な誉め言葉がない

・冗長率(無駄な言葉をどういれるか?)

・話がうまい人→冗長率の切り替えが上手な人、切り替えられる人

・2500年まえにギリシャで演劇が生まれる

 哲学→異なる概念をすり合わせる

 演劇(義務演劇)→異なる感性をすり合わせる

・民主主義→対話

・感性、コンテクスト理解

 

など。

 

メモを記録しました。

 

 

来年もワークショップが開催されるのであれば、

また参加したい。

 

そして新たに

「演劇学」に好奇心が湧いてきました。

私にだって、読むことはできる。

 

紙芝居の中で生かすこともできる、かも。

 

 

 

本日、

平田オリザ氏の著書「芸術立国論」をアマゾンで発注。

青柳正規氏「文化立国論」も・・・。

 

久しぶりのブログ更新は長々となり。

しかしながら、記憶の記録は大事です。

 

 

 

 

読書の秋。涼しい秋。

待ち遠しいな~